監修:清水 勇気(歯科医師)更新:2026年9月18日約5分で読めます
この記事の要点
- 骨粗しょう症であっても、骨の状態や全身の健康管理が適切に行われていれば、インプラント治療を受けられるケースがあります。まずは精密な検査を受けることが大切です。
- 骨量が不足している場合でも、骨造成や身体への負担を抑えた手術法、生体親和性に優れた素材を活用することで、治療の選択肢が広がります。
- 骨粗しょう症の治療薬の種類によっては、外科処置に際して細心の注意が必要です。主治医との連携や事前の十分なカウンセリングが不可欠となります。
藤沢・湘南エリアの皆様、こんにちは。清水歯科藤沢院の清水勇気です。
「骨粗しょう症と診断されたけれど、インプラント治療は諦めるしかないのだろうか」とお悩みではありませんか?
加齢やホルモンバランスの変化に伴い、骨の密度が低下する骨粗しょう症は、多くの方にとって身近な病気です。
かつては骨がもろいという理由でインプラント治療が難しいとされる場合もありましたが、近年は医療技術の進歩により、患者さんの状態に合わせた選択肢が増えています。
藤沢の当院でも、お口の中だけでなく全身の健康状態を丁寧に診査しながら、安全性を重視した治療法をご提案するよう努めています。
今回は、骨粗しょう症の方でも受けられる可能性のあるインプラント治療について、分かりやすく解説します。
骨粗しょう症でもインプラント治療ができる場合とは?

骨粗しょう症であっても、骨の状態や全身の健康管理が適切に行われていれば、インプラント治療を受けられるケースがあります。まずは精密な検査を受けることが大切です。
インプラント治療は、あごの骨に人工の歯根をしっかりと結合させることで、自分の歯のようにしっかり噛める感覚を取り戻す治療法です。
そのため、「骨の量が少ない、または密度が低い骨粗しょう症患者には不向きではないか」というイメージを持たれがちです。
しかし、近年の歯科医療では、あごの骨の質や量を詳細に把握できる歯科用CTなどの画像診断機器が広く普及しています。
これにより、骨の硬さや厚みを立体的に把握し、インプラントを埋め込むのに適した部位を正確に見極めることが可能になりました。
また、藤沢エリアにお住まいで「しっかりと噛む喜びを取り戻したい」と願う患者さんに対し、当院ではお一人おひとりの骨の状態を慎重に診査しています。
骨粗しょう症だからといって一律に諦める必要はなく、適切な準備と医療技術の進歩によって、治療の可能性が広がっているのです。
骨粗しょう症患者に対するインプラント治療の選択肢

骨量が不足している場合でも、骨造成や身体への負担を抑えた手術法、生体親和性に優れた素材を活用することで、治療の選択肢が広がります。
骨粗しょう症の方や、あごの骨がやせ細ってしまっている方に対して、現代のインプラント治療ではいくつかの効果的なアプローチが用意されています。
湘南や茅ヶ崎などの近隣地域からもご相談をいただく中で、患者さんの負担を軽減しつつ安全性を高める技術が活用されています。
骨を補う「骨造成(こつぞうせい)」の技術

骨の密度や量が足りない場合、そのままではインプラントを支えることが難しい場合があります。
そんなときに用いられるのが、不足している骨を補う骨造成(こつぞうせい)という技術です。
自身の骨や人工の骨補填材を移植することで、インプラントを埋め込むために必要な骨の厚みや高さを再構築します。
これにより、骨粗しょう症によって骨が薄くなっている方でも、安定した土台を作ることが目指せるようになります。
身体への負担が少ない「フラップレス手術」
外科手術に対する不安や、術後の腫れ・痛みを心配される方は少なくありません。
コンピュータシミュレーションを活用したフラップレス手術は、歯ぐきを切開せずに小さな穴からインプラントを埋入する手法です。
歯ぐきを大きくめくらないため、出血や術後の痛みが少なく、治癒期間を短縮できる場合があります。
ただし、骨の状態によっては適用できないケースもあるため、事前の綿密な診査が欠かせません。
生体親和性の高いインプラント素材
インプラント体とあごの骨がしっかりと結合する「オッセオインテグレーション」のプロセスは、治療の成功において非常に重要です。
近年では、表面処理が特殊に施された生体親和性の高いインプラント素材が開発されています。
これにより、骨の代謝が低下しがちな方であっても、骨との結びつきをよりスムーズに促すことが期待できるようになりました。
| 治療技術・素材 | 主な特徴 | 期待されるメリット |
|---|---|---|
| 骨造成(こつぞうせい) | 不足した骨を補う処置 | 骨量が少ない部位にも応用可能 |
| フラップレス手術 | 歯ぐきを切らない術式 | 腫れや痛みの軽減、治癒の促進 |
| 表面処理インプラント | 骨との結合を高める特殊加工 | 結合スピードと安定性の向上 |
治療を受ける前に知っておくべき重要事項と事前準備
骨粗しょう症の治療薬の種類によっては、外科処置に際して細心の注意が必要です。主治医との連携や事前の十分なカウンセリングが不可欠となります。
骨粗しょう症の方がインプラント治療を検討する際、最も注意しなければならないのが現在服用しているお薬の種類です。
安全に治療を進めるために、事前の確認と準備について詳しく見ていきましょう。
服用している薬の確認(ビスホスホネート製剤など)
骨粗しょう症の治療では、骨がもろくなるのを防ぐために「ビスホスホネート製剤」や「抗RANKL抗体薬」といったお薬が処方されることが多くあります。
これらのお薬は骨粗しょう症の治療に非常に有効ですが、まれにあごの骨の壊死や治癒不全(MRONJ)のリスクを伴う場合があります。
そのため、歯科医師が勝手に判断するのではなく、服用歴を正確に把握し、必要に応じて医科の主治医と情報共有を行うことが極めて重要です。
医科と歯科の連携による全身管理
安全なインプラント治療を行うためには、歯科医院単体ではなく医科との密な連携が欠かせません。
お薬の一時休止(休薬)が必要かどうかの判断は、歯科医師と、患者さんの全身状態を管理している医科の主治医が協議して慎重に決定します。
鎌倉や藤沢などにお住まいで、他院で処方されたお薬を飲まれている方も、まずはご自身の服用状況をまとめたお薬手帳などをご持参の上、ご相談ください。
全身の健康状態を考慮しながら、無理のない治療計画を立てることが何よりも大切です。
よくある質問
骨粗しょう症の薬を飲んでいますが、インプラントは絶対にできませんか?
絶対にできないわけではありません。お薬の種類や服用期間、全身の状態によって判断が異なります。主治医と連携の上、慎重に診査を行いますのでまずはご相談ください。
治療期間は通常の人と比べて長くなりますか?
骨の治癒スピードや骨造成の有無などにより、個人差があります。骨が結合するまでに少し長めの期間を設ける場合がありますが、状態に合わせて無理のないスケジュールを計画します。
手術中の痛みや、術後の腫れが心配です。
麻酔を適切に使用し、痛みへの配慮を行って手術を行います。術後の腫れや痛みには個人差がありますが、痛み止めや適切なアフターケアで対応いたしますのでご安心ください。
費用・リスク・副作用について
費用について:本記事で扱う治療は当院の自由診療(保険適用外)です。費用は症状や治療範囲により異なるため、正確な金額はカウンセリング時にお見積りをご提示します。デンタルローンをご利用の場合は、分割回数・金利等の条件を事前にご説明します。
主なリスク・副作用:外科手術を伴うため、術後に痛み・腫れ・出血・感染が生じることがあり、まれに神経の麻痺や上顎洞への影響が生じる場合があります。顎の骨の状態によっては適応外となることや、インプラントが骨と結合しない場合があります。治療後は良好な状態を保つために定期的なメンテナンスが必要です。


